導入前の悩みや課題、サービス導入のねらいは?
国語の「読むこと」の授業では、子どもたちが物語を初めて読んだ際の自然な気付きや疑問を大切にしたいと考えていました。
しかし、感想を書かせたりワークシートにまとめたりすると、その時点で子どもの思考が整理されてしまい、本来の「自然な読み」を把握することが難しいという課題がありました。
また、タブレットの文字起こし機能を使って授業を記録したこともありましたが、誰が発言したのか分からず、後から会話を振り返ることに多くの手間がかかっていました。
そこで、子ども同士の対話をそのまま記録し、発話者や議論の盛り上がりを客観的なデータとして残すことで、最初に抱いた疑問や考えを可視化し、その後の主体的な学習につなげたいと考え、Hylable Discussion 対面版を導入しました。
使ってみた感想は?
発話者を記録できることに加え、音声データ・文字起こし・会話の盛り上がりが同じタイムライン上で表示されるため、子どもたちが物語のどの場面に興味を持ち、活発に議論していたのかを把握しやすくなりました。
また、子どもたちは分析結果に興味を示し、自分たちの話し合いを振り返りながら学習を進めることができました。
データは子どもにも理解しやすい画面構成で、初めて利用する場合でも操作が難しいと感じることはありませんでした。
さらに、話し合いの様子を客観的なデータとして確認できるため、「この場面でこんな発言ができていたね」と、根拠を示しながら子どもたちを評価・称賛できる点も良かったと感じました。
一方で、教室のような雑音が多い環境では、話していない児童が発話者として記録されたり、複数人の発話が同じ方向として認識されたりする場面がありました。
そのため、分析結果は絶対的なものではなく、振り返りや話し合いを深めるための参考資料として活用することが大切だと感じました。
使い方で工夫した点は?
教室全体で同時に利用するのではなく、3台の機器を6グループでローテーションしながら活用しました。
これにより、雑音の影響を抑えながら、少ない台数でも十分に授業へ取り入れることができました。
また、分析結果は各グループごとに印刷して配布し、子どもたちが書き込みをしながら振り返りを行えるようにしました。
大型画面で全員に提示するのではなく、自分たちのデータを見ながら議論することで、主体的な学びにつながったと感じています。
さらに、子どもたちには「データがすべて正しいわけではない」ことを事前に伝え、分析結果をそのまま受け入れるのではなく、「なぜこのような結果になったのか」を考えるきっかけとして活用しました。
データを客観的な振り返りの材料として位置付けることで、学習をより深めることができました。
国本小学校・齊先生は、2026年7月4日に品川で開催された「ICT×インクルーシブ教育セミナー vol.9」にて、本事例についてポスター発表をされました。
※以下、齊先生から提供いただいた当日のスライドの一部です。