会議に型はある?
あなたの職場の会議に
このように、一口に「会議」と言っても、形態や進行にはさまざまな「型」があります。 もし
そのためには、会議の型を表現するための指標が必要です。 この記事では、「会議の型」をどのように定義し、どのような指標で捉えることができるのか、そのヒントを探っていきます。
複雑な要素が絡み合う会議
さきほどは、会議分析には会議の型を表現するための指標が必要であることに触れました。そこで、その指標の作成にあたって、過去の記事でも紹介した、「言語情報」、「非言語情報」、「パラ言語情報」の三種類を用いることができそうなことに着目します。そして、その三種類の内、どの情報であれば現実的に扱うことが可能なのかを順に検討していきます。
【言語情報】 :言葉の内容による情報
【非言語情報】 :言葉以外の情報(表情や視線など)
【パラ言語情報】:言葉を話すときに伝わる、言葉以外の情報(話す速度や音量)
まず、「言語情報(会議の内容)」を使うのが最も妥当に思えます。しかし、言語情報を定量化することは技術的に非常に難しい領域です。会議の内容や参加者が話すトピックは組織によってあまりにも異なり、
続いて、「非言語情報」について考えてみると、表情やジェスチャー、視線、姿勢、座席位置といった情報を扱う必要があります。これらを
そうなると、残るのは
さらに、
議事録から属性間ターンテイクを抽出
Hylable Discussionを用いると、「誰」が「どの程度」話したかを自動で取ることができます。そのため、参加者同士のターンテイクの検出と属性付けが簡単です。しかし、そのような音声データは一般に公開されていないので、今回は「誰」が「どの程度」話したかが文字データとして公開されている政府系の議事録データを使って分析します。詳しい分析方法は以下の図に示します。(Hylable Disccusionで収録した音声データを使う場合は、参加者に属性情報を付与すれば本記事に近い分析ができます。)
実際の議事録を分析してみよう
本記事では、4つの政府委員会等の議事録を対象に分析を行った結果を報告します。これらの会議ごとのターンテイクの様相からどのような型を見つけられそうかを調べました。属性は、政府系の議事録を用いたため、議論参加者を4属性(産業・学術・官公庁の3属性+事務局)に分類しました。(座長の発言が各参加者発話の間に入ることが多く、支配的になることが事前に予想されたので、結果から除外しています。)
(i) 参加者経歴や所属が明記されているため
(ii) 逐語録が体系的に公開されているため
(iii)参加者が比較的自由に発言できるため
分析結果を以下の図に示します。それぞれの会議の点線で囲われた部分に着目してください。
点線で囲った部分に着目し、四会議を3つの型に分けることができました。
以上のように、同じ政府系の会議でも、会議の目的などによって、属性ごとのターンテイクの様相に違いがあることが分かりました。
どのように応用できる?
今回の分析は少数事例を対象にしましたが、「会議の型」を属性間のターンテイクとして捉えるアプローチには、実務的な応用が可能です。
まず一つ目は、
二つ目は、ズレの原因を
三つ目は、介入の効果を
おわりに
さて、今回は議事録を文字数ベースで処理を行って得たターンテイクを用いて分析を行いました。皆さんの組織にある議事録も今回の方法で分析してみると、新たな観点で組織分析が可能になるかもしれませんね。また、これから会議を分析するときに、Hylable Discussionを使えば会議中の音声を使って自動でターンテイクを得ることができます。また、議事録の作成やターンテイクの計算も簡単にできます。
以上のように、なんとなく行いがちな会議もしっかり分析し、型を見つけることができれば、組織改善の糸口が見つかるかもしれません。ぜひ、参考にしてみてください!
- 橋本 慧海, 柳楽 浩平, 水本 武志, 白松 俊. “参加者属性間ターンテイキングを用いた会議分類に向けた検討”. 人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会, vol105, pp115-119, 2025.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaislud/105/0/105_115/_article/-char/ja
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この記事を書いたメンバー
橋本慧海
ハイラブルでアルバイトをしている、対話システムが専門の博士後期課程の学生です。新しく買ったPCのCtrlとFnのキーの位置が旧PCと違うので、作業に手間取っています。